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中井正子先生のドビュッシー [音楽]

最近、老眼が進んできて??ネットをするのがなかなか苦痛なのです。
という言い訳の元、ブログの更新をする気力がなく・・・
なんと!1年ぶりの更新になってしまいました。

今年は、『勉強するぞ〜』というキャッチフレーズを自分で決め、
自分のために使う時間を出来るだけ多く作ろうと努力しています。

4月より、ピティナ主催の「音楽総合力UPワークショップ」に参加しており、3回目まで終了しました。

コンサートにもなるべく足を運ぶようにと思っています。
昨日は、ドビュッシーの第一人者、中井正子先生のリサイタルに行きました。

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中井先生のCDや校訂版>の出版が始まった頃に、講座に参加したことがあり、
それ以来、ドビュッシーは中井版を使用しています。だから、というわけではありませんが、楽譜通りに演奏するとこうなるんだなーという感じ?で、ほとんど理想通りの演奏でした。

テクニックのある人にありがちな、弾き飛ばしている演奏でも、弾きまくってる演奏でもなく、磨き込まれた一音一音を紡ぎ出している感じと、タッチのコントロールが絶妙で、素晴らしかったです。

ドビュッシーは私にとって越えねばならぬハードルが多くて、少しさらってみては諦め、また引っ張りでしてみては諦め、の連続なのですが、やはり一度、時間をかけて取り組みたい作曲家です。
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MUSE FESTIVAL 2017 [音楽]

今年は何故か母校づいていて、一昨日は台風の中、武蔵野音大の学祭に行ってきました。学祭にお邪魔するのは、それこそ卒業以来かも?我々の頃はなんと名付けられていたか忘れてしまいましたが、MUSE FESTIVAL 2017なんてカッコいい!ネーミングです。
メインの目的は3時〜の招待演奏、松原友先生と子安ゆかり先生の、シューベルトとマーラーの歌曲を聴くことでした。

子供も一緒に行ったので、どの程度楽しんでくれるか分からないし、雨ということもあり、かなりギリギリの時間に到着。
以前ほどではありませんが、模擬店もいくつか出ていました。が、スペースの関係か、各模擬店で買ったものを共通のテントで食べるというフードコート形式でした。昔は、各楽器会で模擬店を出し、テントの中で生演奏が聞けたり、県人会が郷土料理を出したりして賑わっていたのに比べると寂しい感じではありました。我がワンゲル部も今はあるのかないのか、模擬店は出していなかったようです。前日に下宿の子の家に集まって、大量の焼鳥の下茹でをしたこととか、名物の「山っ子定食」や各地の地酒なども(アルコール解禁の5時少しまえになると、越乃寒梅を求めて行列が出来ました)懐かしいですねー。主人は最近どこでも禁止されているアルコールが提供されていることに感動したようで、来年は電車で来ようと言ってました(笑)

模擬店の話ばかりになってしまいましたが、展示は少なかったようですが、課外チェンバロを少し聴けて良かったです。我々の頃は、楽器博物館に展示してある楽器を使い、発表も博物館で行いましたが、今はMOMOSEの新しいチェンバロを使ってました。詩ちゃんは触らせてもらって、色々な仕組みに興味津々で、お決まりの「今度チェンバロ買ってー」を発してました。

あとは、抹茶の体験とミュージックセラピーのサークルの教室に行ってみました。ミュージックセラピーのサークルでは、トトロのさんぽを皆んなで歌ったのですが、それがいかにも音大生らしく裏声でレガートで「あーるーこー」と歌っていたのが笑えました。それから、スタンプラリーでお菓子をもらい、いよいよベートーベンホールへ。お二人にお会いするのも、演奏を聴くのも久しぶりです。

友先生は高熱をおしての出演だったそうで、最高の調子ではなかったのでしょうが、相変わらずの理知的な演奏。言葉もハッキリ聞こえましたし、場面ごとのニュアンスを大切に作っているのが良く伝わってきました。

ゆかり先生は、すごく細かいところまで考え尽くしてるのに、音楽の世界観が大きくて、まるでオケの伴奏で歌ってるような安心感でした。いつもレッスンで、今初めてこのフレーズ(音?)が生まれたような感動を持って、ということを言われていたのですが、まさにそんな感じで。

一緒に連れて行った子供がちゃんと40分間静かに聞いてくれるか、が一番の心配でしたが、なんとか声を発しずに乗り切ってくれたので、一安心。先生には子供を見せる機会はこれまでなかったので(写真だけ)、実際に会わせることが出来、良かったです。
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コンサートとは全然関係ないのですが。。。 [音楽]

20170701-02_matinee-thumb-180xauto-4252.jpg本日のソリストのチェロの遠藤真理さんは、プロフィールから推察するに、恐らく30歳くらい。
しかし、インタビュー記事を見るとお子さんがいるとか。。。
そして、楽屋にそのお子さんとご主人を連れてきていました。
しかも、お子さんは二人!!!
一人はうちの子供と同じくらいで、もう一人は抱っこしているので2歳くらいに見えました。
またまたプロフィールから推察するに、大学を卒業して留学をして、恐らく留学中か
帰国してすぐに結婚・出産をされたのでしょう。

その昔、仲道郁代さんが、乳飲み子を連れてコンサートツアーをしている、とか、
舞台袖に赤ちゃんをカゴに入れて置いているとか、話題になったことがありましたが、
その時は、私も「へ〜〜、そうなんだ〜、すごいな〜。」としか思いませんでしたが、
実際に自分で生んでみたら、とてもそんな都合の良いようにはいきません。
まあ、恐らく、仲道さんや今日の遠藤さんや、その他のそういうことを出来る方は
体力も気力も十分にみなぎっていて、協力してくれる家族(この場合ご主人より、むしろ祖父母とか?)もいて、子どももあまり手のかからないタイプなのでしょう、とは思います。

それにしても、ものすごい集中力のいるソリストの仕事を、
あんなに小さな子を育てながら、どうやってこなすことが出来るのでしょうか?
一体どんな能力の持ち主なのでしょう?
いや、子どもがいなくたって、あんな仕事、出来はしないのに・・・という感じですが(汗)
世の中には、本当に神様から才能(ギフト)を与えられた人というのは存在するのですね。
凡人から見れば、本当に羨ましいとしか言いようがありません。

ところで、その遠藤真理さんのインタビュー記事の中に
「家で練習していると、子どもは、ママのチェロうるさい〜と言いながら、
横で聞いていていつのまにか寝ている。」とありました。
それこそが、何より私が羨ましい〜と思うところなんです。
私は、子どもの前で一切練習しません。
それこそ、生まれて2ヶ月目くらいまでは、
ピアノの横にごろ〜〜んと転がしたまま練習したりもしました。
が、その後は、やっと寝た〜と思って、練習を始めたら
音を出した途端に起きてしまうようになったので、諦めました。
口を聞けるようになってからは、「一緒に遊ぼう、何して遊ぶ?」と
言われ続け、とても練習できる状況ではないです。

が、最近思うのです。
私が練習する姿を見せた方が、良いのかな?と。

うちの子どもは、割と器用にチョコチョコと弾けてしまうので、
1曲を緻密に丁寧に練習することをしません。
このところ、コンペを受けるために、少しばかり口うるさく、細かく注意したら
「もう発表会には二度と出たくない。」と言い始めました。
ピアノは好きだけど、練習はしたくない、そうです。

良い音で弾く、とか音楽的に弾く、とかミスをしないようにするとか
そういうことは、まだ年齢的に無理だと言ってしまえば、そうとも言えますが、
あんな風に汚い音や、乱暴な弾き方や、指が転んだり、つまづいたり、
テンポが一定じゃなくても、平気だなんて、というか変だと気づかないなんて、
どんなに幼くてもおかしいだろ〜と私は思うのです。

私が繰り返し、練習しているところを見せて、
そういうものだと分かってもらった方がいいのかなぁと思ったりします。
でも・・・そもそも私自身が、繰り返し練習をほとんどしないから意味ないかぁ。
演奏の内容云々よりも、そんなことばかり気になってしまう
本日のコンサートでした。。。



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ミニョンの歌 [音楽]

数日前に、急遽、歌曲の伴奏を頼まれました。なんでも、ある著名な先生のレッスンを受けるにあたり、普段一緒にやっているピアニストの都合が悪く、困っている、とのこと。

歌曲の伴奏、とあれば二つ返事でお引き受けしたいところですが、何せ、こちらは夏休み中で遊びに忙しく(苦笑)このままでは月末に控えた本番2つと、ほぼ本番という感じの1度きりの合わせ、がとんでもなく大変なことになると、焦りまくっていたところなのです。そのレッスンの日とその前に合わせもしなければいけないので、予定を調整し、練習時間を確保する・・・物理的に出来るかなあと思いましたが、何とか予定はやりくり出来そうで、あとは私がどれだけ勉強できるか、という感じ。

お引き受けしました。

今回、ヴォルフのミニョンの歌、本当は3曲やりたいそうですが、1曲は合わせがかなり大変なので2曲で良い、とのこと。まあ過去の経験から言っても、1時間のレッスンでは3曲用意しても見てもらえないことが多いから、2曲は妥当かな。

お恥ずかしながら、私はミニョンを良く知らない。もちろん竪琴弾きも。そもそもゲーテも。歌曲を弾くたびに、その曲の訳を調べたりするけれど、それだけでは、膨大な(長大な?)ゲーテの原作には及ぶべくもない。それに、ミニョンの歌(4曲ある。)を色々な作曲家が作曲しているけれど、きちんとまとめて勉強したことがない。いつもその中の1曲とか、2曲とか。今回も2曲だし。

ちょうどネットで、歌の訳だけでなく、前後の関係を含めた訳文を見つけたので、読んでみた。それだけでは複雑な関係性はよく理解できないけれど、今までよりは少し理解できた。

これは実話ではないけれど、全くの空想物語かと言えば、そうでもないのだろうと思う。ゲーテ自身に起こったことがどうかは別としても、当時はこのような話は比較的起こり得たのではないかな、と思う。何しろ、交通や通信の手段も、情報も限られていた時代なのだ。一つのことを成すのに要する時間は限りなく長い。そして人生は今よりも短い。その中で、人々は、ごく狭い世界の中で、少しの情報を頭の中で妄想のように膨らませて生きていたのかな、と思う。

そういう言い方(妄想とか。)は、良くないもののように捉えられるかもしれないが、決してそういう意味で言っているのではない。拡がりすぎて核が見えない現代よりも、良いかもしれない。
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学びと反省の日々。。。 [音楽]

 昨日は、越谷市内で活動する某アマチュア音楽グループのワークショップ&クリスマスコンサートに娘と二人で行って来ました。

 東武よみうりに小さな告知記事が出ていたのを目ざとく見つけたのですが、クリスマスソングをガンガン歌うようなコンサートに、今年はまだ娘を連れて行っていなかったし、ワークショップって何をやるのかな?何か打楽器でも作るのかな?って期待して申し込んでみました。

 彼らとは数年前にご一緒する機会があり、とても気持ちの良い方たちです。オリジナルの歌もなかなか素敵です。

 やはり、他の人のコンサートって勉強になります。良い面も悪い面も。

 そして、夜は、家人が寝静まった後に、先日の13日のコンサートの記録映像を見ました。反省材料がた〜くさんありました。かなり吟味して練り上げたはずの内容でしたが、やはりまだまだです。

 アマチュアとプロというのは、どこが違うのか、というのもよく分かりました。

 色々と感じたこと、それを活かして、1月に行う放課後子ども教室の、ボディパーカッションの指導案を作ってみました。

 初めて出会う子どもたち、初めて「ボディパーカッション」という言葉を聞く子どもたち、と、1時間で一つのことを達成させるために・・・まだまだたくさんのことを準備して、たくさんのことを削ぎ落としていかないといけないな、と思います。

 
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ウィーン三重奏団 [音楽]

 昨日に引き続き、ウィーンから来日の音楽家のコンサート。今日は、サントリーホールで。

 ウィーン・フィルの団員である、ヴァイオリンのダニエル・フロシャウアー、チェロのラファエル・フリーダー、ラファエルの息子でピアノのマクシミリアン・フリーダーというメンバー。

 前半は、ラフマニノフのピアノトリオ第1番ト短調と、シューベルトのピアノトリオ第1番変ロ長調。まず、最残念なことに、抽選で無料のコンサートだったため、楽章間で拍手をしてしまうお客さんがどうしても多数いるのです。せっかく次につなげたいのに〜〜って思うも、無情にも拍手(汗)仕方ないんですかね?

 演奏中、何度もプロフィールを確認してしまいました。この人たちは、一体どの程度の位置づけの人たちなんだろう???と。でも、だんだん分かって来ました。やたらお行儀の良い態度は、この人たちの性格だと。ヴァイオリン氏は、本当はもう少しハッチャケたい願望もあるようですが、チェロとピアノの親子は、どうも真面目なタイプみたいです。加えて、息子氏は学生を終わったばかりの若造で、まだまだ修行が足りないご様子、固さが残るみたいです。

 ヴァイオリン氏は、当然ながらリーダーとして音楽を引っ張って行きますが、特別にヴィルトゥオーゾというほどでもなく、若いピアノに思いやりを示しながら、無難にまとめている感じかな。チェロのお父さんの姿はP席だったため、全く見えませんでしたが、音はとても色気があって素敵でした。なかなか豊かに響いていたし、テクニックも安定していたと思います。ピアノくんは、最初に「固まってるのかな〜」と感じましたが、後半になってきても、やはりそんな感じだったので恐らくそういうスタイルなのかと。迫力はないけど、柔らかい音色で弾いていました。

 という感じのトリオなので、一番良かったのは、シューベルト。「やはりシューベルトはウィーンの作曲家なのね」ということを感じさせてくれる香りのする演奏でした。

 後半は、ショパンのノクターン第2番をチェロ・ピアノで。ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌをヴァイオリン・ピアノで、弾きましたが、やはり原曲を聴きたかったです〜。ピアノソロは、ベートーヴェンの幻想曲ト短調。知らない曲でしたが、彼らしい選曲で誠実な演奏でした。そして、ハルヴォルセンのパッサカリアとヴァイオリン・チェロで。50がらみくらいの脂の乗っている時期のお2人、プロフィールによると無二の親友だそうで、息子くんに気兼ねする必要もないので、息の合った素晴らしい演奏でした。

 再びトリオに戻り、ハイドンのピアノトリオ第39番ト長調第3楽章と、ブラームスのハンガリー舞曲第5番。ブラームスのアゴーギクはあまり大げさではありませんでしたが、こ洒落た感じが素敵でした。ウィーンの伝統というのはこんな感じなんでしょうか?とても自然に合わせていましたが、結構大変なんじゃないかと思いました。

 最後にアンコールを2曲。1曲目は何だか知らない曲でしたが、ロンドンデリーに激似の朝ドラの主題歌にありそうな曲。2曲目は、ピアソラのアディオス・ノニーノでしたっけ。いやー、何でこの曲を選んじゃったかな?アナタたちには最も相応しくない曲でしょう〜〜。昨日、クトロヴァッツ兄弟の最高にノリノリのピアソラを聴いたから余計にそう感じたのかもしれません。楽譜に書いてある通りに数えるようなピアソラは聴きたくないですね。アンコールでがっかりしたという経験は初めてです。アンコールはおまけではなく、最も自信を持ってお聴かせ出来る曲を演奏すべきなのだ、と学びました。

 と最後に、変なオチが付いてしまいましたが、全体としては満足な演奏会でした。室内楽なんてなかなか自分では足を運ばないもの。良い機会でした。
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ウィーンピアノデュオ クトロヴァッツ [音楽]

 なにげに初エローラ♪エローラとは、越谷市のお隣、松伏町にある中央公民館「田園ホール・エローラ」です。中央公民館と言って、侮ることなかれ、音響は素晴らしく、スタインウェイとベーゼンドルファーを所有している、立派な室内楽専用ホールなのだ。でも、あまりに交通の便が悪すぎて、ほとんど使われることがない(><)知るヒトぞ知る良いホールなので、たまに録音に使われたりするらしい。と、まあ、こんな豆知識は、実は10年以上前から知っていましたが、なかなか行くチャンスがなく。。。やっと、その日を迎えました。

pianoduokutrowats.jpg と、前置きは、それくらいにして。今回は、facebookの友達で、このコンサートの実行委員会としても関わっていらっしゃる五十嵐葉子さんのお誘いで、ウィーンからやってきた兄弟ピアノデュオ「クトロヴァッツ」さんのコンサートを聴きに行きました。なんとかぶり付きの席で、両ピアニスト氏の鼻息まで聞こえるような場所で、プログラム前半は聴きました。迫力満点で良かったのですが、少々お耳が飽和状態になったのと、せっかく待望のエローラに来たのだから、会場の雰囲気をもっと楽しみたいということで、後半は後ろの方の空いている席に移りました。

 ショスタコーヴィチ 小協奏曲
 リスト 交響詩「マゼッパ」
 インファンテ「アンダルシア舞曲」
 ピアソラ タンゴの歴史より、酒場1900、カフェ1930 ナイトクラブ1960 リベルタンゴ
 ガーシュウィン ラプソディー・イン・ブルー
 という、何とも、フルコースを2回食べるような、すごいプログラムでした(笑)

 最初の曲は、大昔にやったことがあったので、その時の記憶が蘇りましたが、まず最初に感じたことは、「あ〜、こんなに自由にやっちゃってイイのね!!」インスピレーションのおもむくままに、勝手気ままに弾いちゃっているような演奏、それなのに2人が寸分たがわず合っているって、どういうこと??どの曲にも言えることですが、2台が1台に、2人が1人に、聴こえます。時々、どちらが弾いているのか、手を確認しないと分からない時がある。でも、全体的には、セカンドの音の方が無理なく響き渡っていたのは、やはりインペリアルの実力かな。上の方から見ると、スタンのフルコンより一回り大きく感じるもの。或いは、ウィーンのピアニストだから、ベーゼンの扱いに慣れているのかしら?

 2台ピアノというのは、やはり非常に派手な演出(?楽譜が)になっていることが多いので、当然、超絶技巧を求められるし、多彩な音色ももちろん!それと、リズムとかノリが重要なレパートリーも多い気がします。今回のプログラムでいうと、インファンテ、ピアソラ、ガーシュウィン、どれも、独特のノリがあります。まずは、自由に使いこなせるということが必要で、しかも、2人のノリとツッコミが絶妙でなければいけない。そういう才能に秀でた人しか2台は出来ないなあと思いました。ちょっとしたお祭り騒ぎで2台をやってみても、合わせることに必死で、単に音が2倍厚くなりました〜っていうだけじゃ、つまらないものね。あ、もちろん、連弾はもっと難しいですけど。だから、ピアノデュオって、兄弟姉妹、夫婦とか、濃い〜関係の人同士じゃないと難しいんですね。

 何ていうか、お2人の演奏は、自由闊達で、うーん、“生きている音楽”っていうか、“生まれたての音楽”って感じがしました。

 プログラム1つ1つの演奏に対する感想とかじゃなくてスミマセン(><)

 最後に、とても面白いなと思ったことを1つ。お2人は譜めくリストなしで、ご自分でめくられていたのですが、終わった楽譜をどんどん床に落として(置いて、と言うべきか!?)いくんです。そして、全ての曲が終わって、ふと見ると、その置き方が、プリモをやっているお兄さんは几帳面にきちんと置かれていて、セカンドの弟さんはバサーッバサーッと散らかっている。それが、プリモセカンド逆なら分かるんですが・・・笑えました。ま、もっともプリモセカンドというのも、ピアノの位置がそうだというだけで、曲によって反対にしていたのもあったような気がします。楽譜を見ながら聴いていたわけではないので、そうではないかもしれませんが、そんな感じがしました。

 写真は、サイン会の時に便乗して、一緒に撮っていただきました。

 それにしても、もっともっとたくさんの人に聴いて欲しいなと思います。目の前に松伏高校があるのに、高校生らしい人はほとんど皆無でした。音楽科がある学校ですよ。せっかくのいい機会なのに。

 
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津田理子先生ピアノリサイタル [音楽]

 9/4(水)東京文化会館小ホールにおいて、チューリッヒ在住のピアニスト、津田理子先生のピアノリサイタルが行われました。とあるご縁から、何度かレッスンをみていただく機会があり、こちらのブログでもそのことについては毎回アップしています。リサイタルも毎回ではありませんが、出来るだけ聴かせていただくようにしています。

 先生のピアノのどこに魅力があるかというと、何の奇をてらうこともなく、ごく自然な感じに流れていく音楽(人によっては刺激が足りないと思うかもしれません。)いつも軽々と苦もなく弾いているように見えるテクニック、抜群の安定感ということでしょうか。そのお人柄も温和でゆったりとしています。レッスンの時も、ご自分の博識や技術をひけらかすようなことはなく、「あなたと同じように頑張っている」というスタンスで教えられます。

 今回のリサイタルでは、ヨハン・セバスチャン・バッハ ●トッカータト長調
            フランツ・シューベルト ●即興曲 作品142
            クロード・ドビュッシー ●子供の領分
            エンリケ・グラナドス ●詩的なワルツ集
                       ●エル・ベレレ(藁人形)
というプログラムでした。プログラムノートもご自分で書かれますが、それも先生らしい言葉で綴られています。

 まず、最初のバッハの第一音を聴いた時に、「あれ?」と思ったのは、座った場所が悪いのか、天候が悪いのか、調律が悪いのか、ピアノが鳴っていないなと感じたのでした。また、暗譜やテクニックの面で、ヒヤっとする場面が数カ所あったので、いつもの先生とは少し違うというような印象でした。

 次のシューベルトになっても、そんな印象でしたから、選曲ミスなのか、何かプライベートなことで集中出来ないようなことでもあったのか、ちょっと気になってしまいましたが、肝心の音楽という点では、やはり素晴らしいものがあったと思います。

 ミスがあったら音楽が良くてもダメなのか??ということは議論のあるところだと思います。確かに、コンクールではダメでしょう。でも、私は、演奏=その人となりであり人生であると思うので、やはりそういうものが良くも悪くも見え隠れする演奏が好きです。完璧を求めるならCDを聴けば良いわけですし。あまりにも完璧に弾かれると、完全武装で挑まれた感じで、何か拒絶されているような気になってしまうのですよ。こういう考え方は、ちょっと言い訳っぽいというか、甘いかもしれませんが。

 演奏会では、簡単に言うならば「あ〜この曲、弾いてみたい〜!」って思わせたら勝ちだって思っています。そういう意味では、今回のリサイタルで弾かれた曲で楽譜を持っていなかったものは、速攻入手しましたので、大成功だったのではないでしょうか。

 シューベルトの即興曲第4曲目は、プログラムノートにも書かれているように、面白いリズムを心から楽しんで軽やかに弾かれている様子が伝わって来ました。そして、シューベルトは難解で長くて苦手というイメージなんですが(私にとって)、このような小品を聴くと、この上なく美しく前衛的でもあり、面白いなあと思いますね。バッハにしろシューベルトにしろ、ドイツの音楽はやはり心が落ち着きます。しっくり来るっていうのかな。改めて、じっくりと勉強したいと思った曲ばかりでした。

 後半は、手を見るのは諦めて、ピアノの響きがダイレクトに伝わって来そうな席に移動してみました。が、やはり???な音でした。どうしたのかな?スタインウェイさん、調子が悪かったのかな?竜巻なんかがあったりして、天候も悪かったり、湿気にやられてたのかしらん??フォルテになってもイマイチ突き抜けて来る感じがなく、速いパッセージでは音が全部くっついてしまっているような、モヤーっとした印象でした。この日、聴いていた他の方たちの印象も伺ってみたいです。

 ドビュッシーの曲は、自分でも演奏して来た曲なので、こういう曲の場合、自分と違う所は「えっ??」ってずっこけますね。

 グラナドスは、私は全くの門外漢なので、よく分からないですが、2曲ともとても素敵な曲でした。スペインものという先入観は捨てた方が良さそうです。先生はハエンというスペイン南部の町のコンクールで優勝されたのが、キャリアの始まりなので、スペインには造詣が深いようです。それだけに、よく弾き込んでおられるような印象でした。スペインのグリーグと言われるとプログラムノートに書かれていましたが、そんな感じ。これは全曲を弾かなくてもちょっとしたコンサートに1曲はさむというような使い方も充分に出来る曲です。

 最後の藁人形という曲も、短いですがインパクトがあり、面白い曲でした。テクニックも披露でき、かつ、この曲を知らない人が聴いても面白いし、子供やコンサート初心者が聴いても飽きないと思いました。(最近、自分のコンサート事情から、そういう観点で選曲をすることが多くなってしまいました。)

 アンコールは3曲。終演後に曲名が張り出されなかったのが残念でした。先生の一言では充分に聞き取ることが出来ませんでした。1曲目はリスト、2曲目はグリーグ、3曲目はうーんと?忘れました(><)やはり、アンコールになると、一気に緊張感がほぐれ、音も伸び伸びして、弾いている方も聴いている方もリラックスして、本当に心から音楽を楽しめるものです。こればかりは、どんなベテランの方の演奏会に行っても変わらない光景ですね。不思議なものです。

 2曲目のグリーグの時に、先生が「毎日これを弾くと元気が出る、けど、とても難しい曲で暗譜で出来ないんです。」と言って、ペラって1枚の楽譜を置いて演奏されました。恐らく、アンコールも含め、今回のリサイタルで弾いた曲の中で一番簡単そうな曲。聴いた限りではそれほど暗譜しづらそうな曲でもなさそうです。それを、そんな風に言ってちょっと和ませるあたり、(別に狙ってやったことではないと思いますが。)その自然な気負いのなさが、私にとって心地よいことでもあります。

 と、まあ、ずらずらと思ったことを並べてみました。全体としては、時々、ヒヤっとする瞬間もあり、ちょっとドキドキしちゃったりもしたけど、それはそれで人間らしくて親しみが持てるし、(その程度のレベルのことであり、演奏にキズが付くという程ではなかった、ということでもあります。)曲はどれも素敵だったし、なかなかゆっくりと演奏を聴くような時間の取れない身としては、とても良い時間を過ごせたと思い、満足です。

 そして、いつものことですが、もっともっとピアノを弾きたいなあ、勉強したいなあという気持ちにさせられました。それこそが、私にとって演奏会を聴きに行くことの意義かもしれません。

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むかしのむかしの素敵なピアノ展 [音楽]

DSC_0749.jpg先日、音楽祭の帰りに、「おかあさんといっしょ」の楽譜とかあるかな、と銀座のヤマハに寄ってみましたら、「むかしのむかしの素敵なピアノ展」というのをやっていて、ちょうど演奏が始まるところだったので聴いてみました。こういう所に行くのは久しぶり。色々なピアノに興味を持っていたころを懐かしく思い出しました。

 クリストフォーリ(1720年製、イタリア)、ブロードウッド(1802年製、イギリス)、ワルター(1810年製、オーストリア)、スクエアピアノ(1820年製、イギリス)、(伝)グラーフ(1820年製、オーストリア)、エラール(1874年製、フランス)といった具合に、時代と様式を代表するピアノ(フォルテピアノ)が展示され、簡単に解説をしてくれて、実際の音を聴けるという企画で500円はなかなか美味しいですぞ。ただ単に、昔のピアノを集めました〜という展示ではなく、きちんと時代の特徴などを順を追っていけるように過不足なく集めてあるので、さすがヤマハね、教育的だわ〜。

 毎日3回ずつ演奏があり、この日の演奏は川口成彦さんという方。プロフィールをみるとまだ芸大の学生さんのようですが、選曲もよく、とても分かりやすいハッキリした口上で、ときどき目をシロクロさせているところもなかなか好感が持てました。(←既におばちゃん目線。笑)演奏家としてはまだまだこれからの方なのでしょうが、期待できそうな感じ、頑張ってほしいです。

DSC_0728.jpg さて、それぞれのピアノの特徴ですが。クリストフォーリは、ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんから一応説明すると、ピアノのしくみを発明した人ということで、どの本を読んでも載っている有名人です。(でも、全く同じようなしくみを同時代に別な土地で発見した人は、他にもいるそうです。)フォルテもピアノも出せる楽器、というのが売りなんですが、見てのとおりの、ほとんどチェンバロという感じ。現代のピアノのダイナミクスに慣れている我々の耳には「フォルテもピアノも出せる」という風には残念ながら聞こえないです。常にピアノって感じです。チェンバロと違って、弦をはじくのではなく、ハンマーで叩いて発音するのですが、弦も細く弱々しいしハンマーも小さいので、はじいているのと大差ない音だなと思いました。

DSC_0729.jpg ブロードウッドは、イギリスの楽器。現代のピアノにつながっていく流れの元を作った人です。クラシック音楽の流れから行くと「イギリス」というのは意外な感じがするかもしれませんが、やはり国の大きさ、産業革命などによる最先端の技術ということを考えると、納得できるかも。クリストフォリに比べると格段に「ピアノ」の音に近づいてきました。その流れを組むのが、フランスのエラール社。ともに、イギリス式の突き上げ式アクションというのを用いています。特徴としては、力強い表現。

DSC_0731.jpgそして、ウイーンの楽器が2つ、ワルターとグラーフです。展示されていたワルターにはニーレバー(膝で操作するペダル)が3本付いていて、この中の1つ、モデレイター(弦とハンマーの間に布をはさむ。現代のアップライトピアノの真ん中のベダルと同じだけど、出て来る音は天と地ほども違いました。)というのを使って、ベートーヴェンの月光ソナタの冒頭を弾きましたが、それはそれは見事な幻想的な音だこと。現代のピカピカに明るい夜だったら、こんな月光だったら誰にも気づかれることもないほどの弱々しい光だけど、ベートーヴェンの時代の静かな暗い夜なら、きっと辺りを照らしたであろう、ほのかな柔らかい光でした。

DSC_0732.jpg 本来、次の流れはグラーフへ、となるのですが、ちょっと横道に反れて、スクエアピアノ(=四角いピアノ)に行きます。これは現代でいうアップライトのようなもので、高価で場所を取るフリューゲル(グランドピアノ)を買えない人のためのものです。因に、ドイツでピアノと言えばアップライトのこと、グランドはフリューゲルと言います。現代はアップライトでも88鍵あることは変わりませんが、スクエアピアノはかなり鍵盤数も少ないです。そもそもまだ88鍵になっていない時代ではありますが。

 一般の家庭でもそのようなお手頃なピアノが普及して、アマチュアの人が音楽を楽しむ時代になって来たので、そういう人のレッスンのための曲も多く書かれるようになりました。ということで、クレメンティのソナチネを演奏しましたが、ソナチネアルバムにやっとこ進んだ人が弾くのと違い、とてもいきいきとした演奏でした。そしてテンポもかなり速い。この曲を勉強するレベルの時には、この速さではとても弾けないということもありますが、このピアノで弾くならこの速さになるでしょう・・・というのもあります。それは、次のグラーフで弾いたトロイメライの時に説明がありましたが、昔のピアノの弦では、そんなに豊かで朗々といつまでも響き渡る音を求めるのは無理なので、現代のピアノで弾くよりも若干速めのテンポに設定した方が良いということです。逆に速い曲は遅めに設定した方が良いかなとも思います。昔の人はそんなにせっかちではなかったし、ピアノ的にも打鍵のスピードとかついていかなかったかなと思います。

DSC_0733.jpg DSC_0735.jpgDSC_0736.jpgそして、次。グラーフというピアノには、よく(伝)というのが付け加えられているのですが、これも何を意味するのか良く分かりません。展示されていたグラーフは、鍵盤が貝殻で出来ており、ペダルはリラの形をしており、装飾品としても優れています。フェアシーブングというファゴットを模した音になるペダルが付いており、それを使ってシューマンの楽しき農夫を演奏しました。この曲は、習いたての子どもにたどたどしくヨタヨタと弾かれてしまうことが多いのですが、大人がきちんと弾くと確かに楽しそうだぞって思いました。

 ワルターもグラーフもいわゆるウィンナトーン。とてもやわらかく旋律を歌うのに適しており、量産を好まなかったので、1台1台が色々な意味で違います。なので、遊び心あふれる様々な機能のペダルや、美しい装飾がなされたりしていました。まさに、ピアノは芸術品なんですね。本当はそうあるぺきだったんでしょう。でも、それでは商売が成り立たないので、量産してコストを下げて大々的に普及させて〜という会社には負けてしまったんでしょうね。残念なことだと思います。実際に音を聴いたので、そう思います。現代のピアノも、「1台1台が違う」とは言いますが、レベルが違います。これらのフォルテピアノの音を聴いたら、音楽って何て美しいものだと感じずにはいられません。

DSC_0737.jpg ウィンナートーンを作るのは、ウィーン式は跳ね上げ式アクション。今回、アクションの模型も展示されていましたが、恥ずかしながら、何度説明を読んでも、イギリス式とウィーン式の違いがあまり分からないのです。ハンマーの向きが逆なのは分かるのですが(それくらい誰でも見れば分かるだろーって)だから何??って感じです。それによって何が変わるの??なんで音質がここまで変わるの??っていうところが、理解できないんです。

DSC_0738.jpg エラールは、ショパンの好んだピアノという風によく紹介されていますが、本当のところはプレイエルだったようです。でも、今回の展示はなし。というのも、エラールは今はもうなくなってしまった会社ですが、歴史的に見てもっとも重要な発明をしているから。それがダブルエスケープメントで、これによってピアノの機能が飛躍的に発展しました。文字通り、ダブルでエスケープするんですが、これについても、私は何度聞いても良く分からないんですよね。ただ、川口さんの解説にもあったように「簡単にいうと、今まで(シングルエスケープメント、という言葉があるか知らないが)は、鍵盤が全部下まで戻らないと次の打鍵が出来なかったが、ダブルエスケープメントのお陰で、鍵盤が少し弦から離れたらすぐに次の打鍵が出来るようになった。」ということです。それによって、速い同音連打が可能になり、リストに代表されるような超絶技巧の曲が生まれたということです。

DSC_0740.jpg ただ、このことで失われたものも多いと思います。彼が最後に、「フォルテピアノの魅力は何ですか?」という質問に答えて、「現代のピアノを弾いていると、ピアノが弦楽器だということを忘れてしまいそうになるが、フォルテピアノを弾いていると、指の先に弦の感触が分かるくらい弦と近い感じがして、ピアノって面白いなと改めて思った。」と言っていました。つまり、そういうことです。ピアノは鍵盤と連動したハンマーが弦を叩いて音がなる楽器なのですが、ダブルエスケープメントの発明により、ハンマーが弦を叩く瞬間には、すでに鍵盤(=指)のコントロールを離れてしまうことになりました。最後の瞬間には、ハンマーを投げ捨てている状態だということです。そのことで、どんどん指先と弦が離れているという感触になってしまったのでしょうね。

 また、もう1つ、時代の要求により弦も太くなってきたので、その張力を支えるために内部に鉄骨が組み込まれました。これにより、鉄骨が響くので、華やかな音にもなります。それでも、この展示されたエラールは、写真では分かりにくいかもしれませんが、平行弦だし(現代のピアノは弦は長くピアノは小さくするために、高音と低音の弦を交差させています。)1本張りだし(現代のピアノは、高音の弦は1本をぐるりとUターンさせて張っています。)、まだまだ音が澄んでいました。

 それぞれのピアノで、1曲ずつの演奏をしたのですが、全体的に言えることは、音から香りがする、ということです。これは、古いピアノの音を聴くといつも感じることです。そして、それぞれのピアノはどれも個性があるのですが、どうしてこの時代にこの作曲家がこういう曲を書いたのか、だからこういう奏法をしなければいけないのだ、ということがハッキリ分かります。現代のピアノはそれはそれで素晴らしいのでしょうけど、それしか知らないと、いつの時代のどんな曲も同じテクニックで同じように弾いてしまいます。実際、それで弾けてしまうし、それなりに美しいし楽しい。でも、一度、時代に立ち返ってみるとまた別な面白さが発見できると思います。
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津田理子先生レッスン、その2(ドイツ歌曲) [音楽]

 月曜日には、歌曲アンサンブル研究会の例会で、再び津田理子先生のレッスンを受けました。「歌曲の異なった時代によるピアノの役割の違い」というテーマで、私のチームはウィーン古典派ということでBeethovenを2曲、MailiedとMignonでした。歌い手は、3月の綾瀬市ロビーコンサート終了後にお声をかけてくださった米島美穂子さんと初共演。

 津田先生のレッスンは、もう何年にも渡って何回も受けているのに、毎回同じことを注意され進歩のない私。。。毎回、同じことを反省しているって、先日のソロレッスン後のブログでも書いた気がする〜。で、また今回も同じ。キャー、本当にダメな私。

 なので、どんなご注意を受けたか、っていうことは省きます。過去のブログをお読みください(なんちゃって。)で、今回は、もっと根本的なことなんですが、「録音をして自分の演奏をチェックすることは大事」ってことを思い知りました。自分では、そこそこ冷静なつもりなんです。レッスンで注意されたこともちゃんと聞いているつもり。でも・・・やはり録音を聞いてみると「こんなはずじゃなかった〜」って思うもんですね。今回は、パートナーの方が録音されたので、それを聞かせていただきました。(レッスンの冒頭で通して歌った時の演奏です。)それなりに気をつけていたつもりではありましたが、間奏で走る走る〜。いやー、1回録音を聞けば先生に注意されるまでもなく自分で気づくことです。それを繰り返していれば、きちんと演奏できるのに勿体ないことをしたと反省していています。全体的に、とてもせわしない印象で、さぞや歌いづらかったことだろうと想像します。何だか最近の私は、せっかち系の演奏になってきたかも。これも生活のせわしなさが影響しているのでしょうか?

 今回、ソロではモーツァルト、歌曲ではベートーヴェンを見ていただいたので、共通の部分もあります。まずテンポをキープすること、そしてペダリングを少なめにするということ。この2点は私にとっては大昔からの課題です。割と気分でロマンティックに弾いてしまう癖があります。またペダルは大学時代の先生が、「ペダルは曲全体に。浅さ深さ長さで調整する。」という方針だったため、その癖が抜けず、ペダルを全然なしにするということが怖くて出来ないんです。その先生のレッスンから離れてもう10年くらいは経つのに、未だにそうなんです。でも、それには私自身がさぼっているということもあります。指でのレガートの練習を怠っているからですね。でも、やはり時代様式を無視してはいけないということに遅ればせながら気づきました。

 またベートーヴェンというと、髪振り乱して鍵盤を叩きまくり、コンサートが終わった頃にはピアノの弦が切れまくって箱から飛び出ているという、風刺画みたいの印象が強くて、つい重厚に弾いてしまいたくなるのですが、そんな風になってしまったのも当時のピアノが音量も少なく、弦も細く弱く、箱も木で出来ているというものだったからです。現代のピアノで、ガンガン弾いてしまったらやはりベートーヴェンではなくなってしまうかなという気がします。

 もう1つ、今回、強く感じたことなんですが。。レッスンを受けたピアノはどちらも良く響くスタインウェイです。手入れは良くされています。音響も良い会場でした。ペダルは全然なくても良く響くし、むしろ響きすぎるくらいでした。でも、我が家のピアノは防音室に入ったベヒシュタイン。帰って来て同じように弾いてみたらとっても物足りないんです。そしてまたペダルのお世話に。。。ベヒシュタインは、弾いた通りに答えてくれる楽器と言われています。本当にそうです。嘘ごまかしが効かないんですね。だからそういうピアノを自在に操れるようになったら、きっとスタインウェイならもっともっと豊かに変化を付けて弾くことが出来るでしょうね。

 でも、逆に・・・本番のピアノってことになると、やはり、My楽器を持ち運べないピアニストの宿命として、当日のわずかな時間で「そこそこ」コントールして「それなりに」上手く弾くには、ベヒシュタインとかベーゼンドルファーは不向きだよな〜って痛感しました。スタインウェイのように良くも悪くも包み隠してくれるピアノがいいです。ということで、世の中のほとんどのホールにはスタインウェイが置かれているわけですが。。この事実をどう捉えるか。とてもコントロールしやすく上手にお化粧してくれるから良い楽器なのか。はたまた、いつもスッピンが見えてしまうから良い楽器なのか。練習用と割り切るのか。ベヒちゃんを愛する私としては複雑な心境ではあります。

 あ、それでね、もう1曲、ドビュッシーのゴリウォーグのケークウォークもレッスンで見ていただきました。こちらの曲は、家で弾いてもさほど違和感を感じません。さすが、ドビュッシーが「全ての曲はベヒシュタインのために書かれるべきである。」と言ったというだけのことはあります。たしかにベヒシュタインは、音の数が多く、不協和音の嵐、というような曲に向いているかもしれません。レッスンの話題から少々外れて来てしまいましので、この辺で。

 そうそう結論です。ソロと歌曲、2回続けて見ていただいたことで、少し見えて来た部分もあります。それらをゆっくり熟成させていきたいなと思います。
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