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アンドラーシュ・シフ ベートーヴェン後期ピアノソナタ [音楽]

 クラシック番組はほとんど見ない私ですが、何となく、今回は見てみました。(もちろん録画)暖房の音とかが気になるので、昼間の割と暖かい時間を選んで、暖房なしで。普段、なぜこういう番組を見ないかというと、家で見るとくつろいでしまって、ついゴロンと横になりながら見てしまったりして、結果、ウトウトと気づいたら曲が終わっていた〜というパターンになるからです。

 でも、今回の番組は、シフのあまりの集中力の高さに、こちらもついかしこまって最後までじーっと見入ってしまいました。1曲弾くだけでもしんどいだろうというベートーヴェンの後期のピアノソナタを3曲まとめて、しかも曲間の拍手もなして、まるで1つの楽章のように弾いていました。実際、楽章が変わっても表示が出なかった(気づかなかったのか??)ところもあり、「おいおい、NHK、しっかりしろよ〜」って思いましたが。

 しかしあれだけの長時間にわたり、ずっと集中力を保って弾くというのは一体どういう神経を持っているんでしょうね?シフはハンガリーのピアニストということで、リストの曲集などをCDで聴いたりして、テクニックがすごい人というイメージがありましたが、さすが、後期のソナタとなると派手なテクニックというよりは、一音一音吟味された音が、もっと大きな流れとして有機的につながっているという感じがしました。テレビの良さとして手元がアップでうつりますが、ふっくらとした豊かな肉付きの指が無駄な動き一切なく素晴らしかったです。身体の動きもしかり。また音楽的にも奇をてらうこともなく、ひたすら音楽に奉仕しているっていう感じの弾き方でした。何か、こちらも身動きしたらいけないような、そういうたたずまいで、当日、紀尾井にいたお客さんたちはどんなにかすごいう空間だったんだろうなあと想像します。

 また、ピアノリサイタルなんていうのは、紀尾井くらいの規模がちょうど良くって、サントリーの大ホールなんかで満席でやるというのは、そのこと自体はすごいですが、あまり音楽を聴くという環境ではないかもな〜って思ってしまいました。こんなこと言ったらまた何か誤解されそうですが、やはりクラシックなんていうのは、大勢の人たちに分かり易く感動を与えるっていうよりも、分かる人だけが分かるんでいいかも、っていう風にも思ってしまいました。中でもピアニストっていうのは、孤独というか孤高というか、そういう人種なのかもって思います。世の中が何でも簡単さを求める時代になってしまっているから、余計にそういう禁欲的なというか、そういうものに対する憧れもあるのかもしれません。
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yokko@sengawa

ども。初めてコメントします。

先日、子の通う小学校の音楽演奏会へ行きましたら、
中高部でお世話になったタ○ダ先生が、
3年生の合奏のタクトを振っていました。
 
「なぬっ?」

指揮する姿だけでは半信半疑でしたが、
彼女の弾くピアノ伴奏を聴き、
「あ、この雑なピアノ...覚えてる。」と、確信しました。

ピアノって、饒舌にその人となりを語るのでしょうか?
タ○ダ先生、そのものでした。
しかし、雑なピアノで思い出される音楽教師って...?

シフとは関係ありませんでしたが、
ピアノは語る...ということで、ご勘弁を。
by yokko@sengawa (2011-03-08 18:06) 

piano_otogibako

今は、そちらの方で教えていらっしゃるんですね。
ハハ、ピアノはホントにその人となりを語りますよ。
雑なピアノねえ。。。教えながら弾いてるとそんな風になっちゃうかも、って最近、私も思います。伴奏だけに集中している時のようには弾けないんですよねえーー:
by piano_otogibako (2011-03-09 09:59) 

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