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イエルク・デームス氏公開講座 [音楽]

 今日は、横浜にあるピアノクリニークよこやまにて、ドイツロマン派最後の巨匠と言われているイエルク・デームス氏の公開レッスン&公開講座に行ってきました。

 前々から、デームス先生の講座やコンサートに行きたいと思いながらも、予定が合わなかったりで叶わなかったので、今日は、とても楽しみにしていました。
 噂によると、先生はとても怖くて、子供なんて泣き出してしまうとか。。。。お店に着いたら、ホントに狭い所で、先生と1メートルの距離でした。怖いって言っても、昔の女の先生にありがちなヒステリックな怖さではなくて、言ったことが理解されなかったり、すぐに反応が返ってこなかったり、同じ注意をされたりすると、いらいらして声を荒げるようでした。そして、今日はレッスンがフランス語で行われたのですが、興奮するとついドイツ語が出てしまうようでした。
 先生のレッスンの姿勢を見ていますと、超一流になるお方というのは1分の時間もないがしろにしないのだな、ということが良く分かりました。曲に対する理解は、当たり前ですがとても深く、それが、いわゆる研究家、評論家としての理屈ではなくて、先生の心に感ずること、自然との対話、身体から沸き起こるリズム、他の楽器で弾いたとしたら・・・などから生まれるイマジネーションであり、とてもナチュラルで必然な解釈(?)であると感じました。レッスンの曲目は、シューベルト、モーツァルトで、先生ご自身による演奏はバッハの平均率でしたが、この作曲家はこうあるべきだ、とかこの時代のものはこう弾くべきだというような考えに囚われるのではなく、楽譜や音と向き合うとこうなるでしょう・・・というアプローチです。ですから、バッハでもペダルも使うし、強弱ももちろんあるし、自然なアゴーギクも付きます。(って言うか、未だにそういうのを否定する先生がいるのが信じられないんですがね。)
 
 また、くだらない曲を勉強するのに時間を費やしてはいけないとおっしゃってもいました。先生はツェルニーが大嫌いだそうで、ベートーヴェンの一番へたくそな弟子だったに違いないとおっしゃっていました。モーツァルトの曲でさえ、駄作は弾くべきでないとバッサリ切り捨てました。そういえば、私の生徒も、ギロックの易しい星1つの曲が何ヶ月経っても仕上がらなかったのに(たぶん本人と相性の悪い曲だったのでしょう)バッハの「主よ、人の望の喜びよ」を与えたら2週間くらいで弾けるようになり、平均率1巻1番のプレリュードは1週間で弾けるようになったり、曲の持つ底力を感じます。


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